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はいないでしょう。
事業主としても、船員さんあっての事業です。
その意味からも、勇気を持って退くことを提言する訳です。
荒天に遭遇したとき、乗組員や船の安全を守るため、いつ、どんな場合に作業を中止するか、あらかじめ判断の基準を作っておくことが大切だと思います。
本年度の船員災害防止実施計画の中でも、荒天時における漁ろう作業の取り止めなどについて、自主的な安全基準の作成を促進することが盛り込まれています。
この基本的な考えは、いうまでもなく、人の生命は地球よりも重いということです。
荒海に乗り出す海の男も魅力的ではありますが、冷静な判断の上に立ち、勇気を持って退く生き方も大切ではないでしょうか。
さて話は変わりますが、この場をお借りして当社で作成した安全マニュアルに触れておきたいと思います。
合計で四一頁にもなりますのですべてをお話しすることはできませんが、大きな項目と、基本的な考え方をご紹介させていただきます。
当社の安全マニュアルは、昨今のような海運、水産界

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の環境変化に対応するため、一九九一年一月に新しく作り替えられ、現在に至っています。
主な内容は、すべて基礎的な事柄で、船主として、また乗組員として知っておかなければならないこと、守ら

 

 

 

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